get AdobeReader
Webコラム



 IPTPC からの情報発信

IPTPCは、2003年よりVoIP認定技術者資格制度の運営を行っており、累計資格者数は2011年7月の時点で18,000名を超えています。

これまで統一的な水準の技術者を養成するための研修や資格制度、また、ビジネスコミュニケーション東京等の展示会やIPTPC主催のIPTPCセミナ等を通じて、IP電話普及推進のための活動を行ってまいりました。今後は、IPTPCのホームページより、ホワイトペーパーやWebコラムなどを定期的に掲載することにより、今まで以上に情報発信を行ってまいります。


今なぜビジュアルコミュニケーションなのか

2010年7月15日
IPTPCエバンジェリスト(富士通) 橋本隆

前回はテレビ会議システム導入のコスト効果を紹介した。今回は、かつてのテレビ会議システムと現在の違いや、今なぜビジュアルコミュニケーションが注目されているか紹介する。

ノンバーバルコミュニケーション

ノンバーバルコミュニケーションというのをご存じだろうか。
普段、私たちが人と直接会話する時には、次の3つの要素が混ざり合って相手に発信されている。

  1. 言語情報(Verbal)

    文字、文章

  2. 聴覚情報(Vocal)

    声の大きさや質、アクセント、イントネーション

  3. 視覚情報(Visual)

    態度、表情、目線、ジェスチャー

ノンバーバルコミュニケーションとは、言語情報以外、すなわち(聴覚情報)+(視覚情報)のことである。
最近では、特にe-MAIL、インスタントメッセージ、チャットなど、言語情報によるコミュニケーションが増えているが、ノンバーバルの部分がコミュニケーションに与える影響は少なくない。

参考までに、米国の心理学者 アルバート・メラビアンによって、ある条件下で相手に伝えるメッセージが何に影響されるかを調査したところ、言語情報(Verbal)は7%、聴覚情報(Vocal)は38%、視覚情報(Visual)は55%という結果があった。
(メラビアンの法則については別のIPTPC Webコラムにて詳細に解説する)

この調査結果をそのまま当てはめることはできないが、ビジネスにおける会議や意志伝達において、ノンバーバルコミュニケーションは大切な要素である。

テレビ会議システムの登場

さて、話は変わるが、1980年代に企業向けのテレビ会議システムが登場した頃、会社にはまだパソコンやe-MAILが普及しておらず、仕事のツールといえば紙とエンピツ、電話にFAXの時代であった。
当時のテレビ会議システムは出張旅費の削減や移動費の節約が目的で、離れた場所を互いに映し会話もできるのだから、少々画像が乱れようが音声が途切れようが、それはたいそう豪華でハイテク機器であったといえよう。

普及への課題

実はテレビを利用した会議システムは、アナログ電話回線しかない時代から研究開発は始まっていたが、システムコストや技術的な課題は多く、製品が世に出ることはなかった。
1990年代はISDNとともに、企業向けのテレビ会議システムも普及しはじめた。
しかし、実際に利用した際には次のような印象を受けた。

(1)使い方が面倒

いざ使おうと思っても、複数の機器を立ち上げて回線をつなぎ、リモコンで画面を操作するなど、複雑だった。経験者がいないと会議がなかなか始まらなかったものである。

(2)画質や音質が悪い

利用する回線速度の影響もあるが、INS64程度では映像はコマ送りである。音声圧縮技術も現在ほど進んでおらず、歪みと遅延は大きかった。
つまり、当時の技術やインフラでは、テレビ会議システムを使うと、ノンバーバルコミュニケーションの部分が欠如していたのである。

最新のテレビ会議システム

では、現在のテレビ会議システムはどうだろうか。
幸いにして、今日では10Mbpsや100Mbpsの回線が企業で利用できるになった。そこへH.264/AVCなど圧縮符号化技術の進化によって、(製品による違いはあるが)数Mbps程度でハイビジョン映像のような高精細テレビ会議が可能になった。
大画面薄型テレビに映し出されるハイビジョン映像は、まさに会議室そのものであるかのような臨場感を作り出している。等身大の映像、劣化のない音声、身振り手振り、表情、目線まで忠実に映し出し、いまはじめて、テレビ会議システムは「ノンバーバルコミュニケーション」を可能にし、その真価を発揮する時代になったといえよう。
もちろん、操作性も向上しており、(各社のシステムによって違いはあるが)はじめてでもタッチパネルから接続したい相手を選ぶだけで、電源が入り、接続し、映像を映し出すまで、たった1つの操作である。

ビジュアルコミュニケーションの重要性

前出メラビアンの法則に、現代のコミュニケーション手段を当てはめるなら下図のようになるだろう。
現在のテレビ会議システムなら、離れていても完全なコミュニケーションが成立することになる。

パソコンやネットが普及した今、安易にメールだけで要件を済ませたり、メールで会議を行っていないだろうか。
移動の時間や費用の節約だけでなく、ベストなコミュニケーション手段として、テレビ会議システムに代表されるビジュアルコミュニケーションはお勧めしたい。
各社から最新のビジュアルコミュニケーションのシステムやソリューションが提供されている。会社の経営、システムの企画・運営、さらにはシステムの販売に携わる方々は、ぜひ一度、IPTPC参加各社のショールームなどを訪問してみてほしい。

【IPTPC参加企業】 URL:http://certification.iptpc.com/link.htm


ページの先頭へ