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IPTPCセミナ2011 サマリレポート



 IPTPC からの情報発信

IPTPCは、2003年よりVoIP認定技術者資格制度の運営を行っており、累計資格者数は2011年7月の時点で18,000名を超えています。

これまで統一的な水準の技術者を養成するための研修や資格制度、また、ビジネスコミュニケーション東京等の展示会やIPTPC主催のIPTPCセミナ等を通じて、IP電話普及推進のための活動を行ってまいりました。今後は、IPTPCのホームページより、ホワイトペーパーやWebコラムなどを定期的に掲載することにより、今まで以上に情報発信を行ってまいります。


ICTを利活用した新たな価値の創出:ワークスタイル革新

2011年4月26日
IPTPC(IP電話普及推進センタ)エバンジェリスト
NEC 竹井 俊文

今年2月に開催したIPTPCセミナ2011についてレポートする。セミナのテーマは「企業のコミュニケーション文化を一新するICTイノベーション」であった。本セミナには多くの方々が参加され、パネルディスカッションのモデレーターを担当した私の目にも、ICT導入効果の可視化など、最前線で活躍する営業・SEの創意工夫を学び業務へ活用したいという、多くの聴衆の真剣な眼差しが印象的であった。


第2回 ICTを導入しても、利活用しなければ新たな価値が見出せない

次に、利活用とは?価値とは?の解説も含めて、「ICTを導入しても、ICTを利活用しなければ、コスト削減以上の新たな価値が見出せない」という問題提起を浮き彫りにしていく。
企業がICTを導入してコミュニケーションインフラを構築する場合、概ね以下の4つに集約される。

IPコミュニケーション

VoIPシステムを導入すれば、PC(ソフトフォン)から内線電話やプレゼンス、不在時のボイスメッセージなどが使えるようになる。また、社内LAN/WANとは別々に導入・運用していたPBX内線網を撤去し、音声とデータをLAN/WANに統合することができるので、導入するだけで通信コストと運用コストを削減できる(表の①)。

モバイルコミュニケーション

無線LAN(Wi-Fi)システムとFMCを導入すれば、オフィスの固定電話と外出先でのケータイあるいはスマートフォンのTwo Number(内線と外線)運用からOne Number(内線)運用に変更できる。また、無線LAN経由による安価なIP電話サービスと定額のFMCサービスを利用できるので、導入するだけで通信コストを削減できる(表の②上)。
ここまでが、導入すれば利活用しなくてもコスト削減でき、数値によって効果を可視化できる部分である。
モバイルコミュニケーションはコスト削減以上の価値が見出せないかというと、そうではない。たとえば、後述するモバイルワークという新価値を創出できる。しかし、ワーカーによるノートPCやタブレット端末、スマートフォンの利活用が必要条件であり、ワークスタイル革新による効果を数値などによって可視化しなければ価値がよく見えない(②の下)。

リッチメディアコミュニケーション

ビデオ会議システムを導入すれば、音声メディアに加えて映像メディアも使えるようになるが、それだけでは新たな価値とはいえない。しかし、PC(ソフトフォン)やタブレット端末、専用端末から、資料やアプリなどの情報共有を併せたビデオ会議の利活用によって、従来、電話やメールではうまくいかなかった遠隔地とのコラボレーションの強化が大きく図れるならば、新たな価値といえる。ただし、効果を可視化する必要がある(③)。

ソーシャルメディアコミュニケーション

従来のブログやWikiに加えて、今注目されているミニブログ(社内Twitter)などのWeb2.0ともいう社内SNSシステムを導入するだけでは、その価値が見出せない。しかし、リアルタイムなタイムラインメディアとして社内Twitterを利活用することによって、業務プロセスの遅延要因となっていた問題をタイムリーに解決することができるならば、新たな価値といえる。やはり、効率化などの効果を可視化する必要がある(④)。

アナリストの調査によれば、単なる通信手段として企業のコミュニケーションインフラを整備するのではなく、導入したICTを利活用して社員間やパートナとのコラボレーションを強化したい企業ユーザーが増えている。さらに、従来の「コスト削減」と「生産性向上」に加えて、ワークスタイル革新による節電、ペーパレスを含むCO2削減、大災害やパンデミック発生時のBCP(事業継続計画)などの「新価値創出」を新たな課題とする企業ユーザーも増えている。


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